矢吹病院

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腎不全の治療選択

腎代替療法

 慢性腎不全によって末期腎不全に至った場合、回復の可能性がなく尿毒症や高カリウム血症、心不全などの重大な問題を起こします。通常の約10%以下程度まで腎機能が低下した場合、腎臓に代替する治療を行わなければなりません。私たちの施設では血液透析(施設血液透析、在宅血液透析)、腹膜透析腎臓移植相談を行っており、患者さんのライフスタイルや年齢などを考慮しその方にとってより良い療法選択が出来るよう支援しています。

 

 腎臓に代わって体の血液を人工的に浄化する方法が透析療法です。透析を行うことで体の中に溜まった老廃物や毒素を除去することはできますが、腎機能を回復させる治療法ではありません。また腎臓の機能を完全に補うものでもないため、腎移植を受ける場合を除いて生涯継続して実施していく必要があります。

【血液透析(HD)】

 血液透析では血液を体外へ取り出し、ダイアライザと呼ばれる透析器に循環させて尿毒素を除去し血液を浄化します。きれいになった血液は再び体に戻されます。一般的に血液透析治療は施設で行う施設血液透析を指します。日本の透析患者さんの多くはこの施設血液透析を実施しています。施設血液透析は標準的に週3回施設に通院し、1回の透析には3~5時間程度必要となります。清永会の血液透析治療の特徴は、透析患者さんが自分の体調や自分の受けている透析条件に興味を持って、スタッフと一緒に治療方針を考える患者参加型の透析治療です。患者さんの日常の訴えに耳を傾けて、その愁訴をなくすために透析膜やオンラインHDFなどの最先端の治療法を選択します。治療を安全かつ有効に行うために超純粋透析液をすべての透析治療に使用しています。

 またもう一つの血液透析治療として在宅血液透析があります。この在宅血液透析は患者さんのライフスタイルに合わせて十分な透析量を確保することができます。施設血液透析とは違い透析時間の延長や回数増加などを自由に変更することができます。長時間透析(1回5時間以上)など透析効率の高い治療が行えるため、体調も良くなり活発に過ごせるようになります。しかし、誰でも在宅血液透析を導入できるわけではありません。介助者の有無、本人の資質、建物的な条件などをクリアし、清永会が定める導入トレーニングを終了した方のみ在宅血液透析を導入することができます。詳しくはこちらをご覧ください。

 

【腹膜透析(PD)】

 腹膜透析では患者さん自身の腹膜を利用して血液をきれいにします。手術によってお腹に挿入したカテーテルから透析液を入れ、一定時間貯めておくことで透析液の中に老廃物や水分が移動します。体の中から透析液を取り出すことで老廃物や余分な水分を体の外に出すことができます。自宅や職場などで患者さん本人や介護者が透析を行うことができ、血液透析にくらべて通院回数が少ない、時間をかけてゆっくり透析を行うので体への負担が少ない、残っている腎臓の機能を守ることができるという利点があります。

腹膜の仕組み

 

 

CKD教育入院

 

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